【今後の方針についてのディレクターメッセージ】 - 【ぼらたま】トピック | さいたま国際芸術祭2020

【今後の方針についてのディレクターメッセージ】

更新日: 2020年07月29日

 さいたま国際芸術祭2020今後の方針についてのディレクターメッセージを公開しています!

【ディレクターメッセージ全文】

さいたま国際芸術祭2020は、まさにコロナ禍に直面した国際芸術祭です。
本来の開幕日である3月14日に合わせて全ての準備は整い、後は皆さんに様々な作品とプログラムを体験して頂く、その瞬間を待ち遠しく思っている状態でした。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、開幕を当面の間延期しておりました。私自身は、春に凍結された芸術祭をどのように開いていけるのか、人がいなくなった各会場の状況を確認しながら、模索を続けてきました。本芸術祭に参加して頂いているアーティストの皆さんの作品やプロジェクトは、どれも素晴らしいものばかりです。そして、制作の段階から市民をはじめとするたくさんの方々に関わっていただくことを重視し、芸術祭に訪れた方たちの参加によって成立する、コミュニケーションに焦点をあてた作品も多数予定していました。ディレクターとして「市民参加型」の芸術祭に対して自信を持って取り組んでおりましたが、依然として新型コロナウイルスが収束していない状況、さいたま市としての「市民の安全・安心の確保と社会経済活動の回復に向けた取組を最優先とする」という方針を受け、当初から計画していたコンセプトの実現と予定していた規模での開催を見送らざるを得なくなりました。このことは残念でなりませんし、とても辛い状況です。しかし、私自身は、このような状況下であってもアーティストの皆さんが取り組んできた作品やプロジェクトを市民の方々をはじめ楽しみにされていらっしゃった方々へ届けたい。その想いは強いままです。

私たちの生活は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって一変しました。
まずは、ありのままを理解してこの変化に応答していくこと。
生活都市を舞台にした本芸術祭も同じく変容していく必要があります。
そして「新しい生活様式」への切り替えと合わせて大切なことは、コロナ禍で一変した生活の中でも市民が文化芸術を享受する機会とアーティストの表現の場を絶やさずに継続できる芸術祭のあり方を考えていくことです。積み重ねてきた今回の試みを無駄にすることなく、新しい芸術祭のあり方と鑑賞機会を創出していきたいと考えています。そして、今もなお続くコロナ禍に直面した国際芸術祭であるという事実の中でコミュニケーションのあり方に関して今一度、考察し発信していくことが「市民参加型」芸術祭のあり方にも直結すると考えています。多数の人びとが同じ内容を同じ場所で共有するような祝祭感がある催しは断念することとなりましたが、当初の計画を一部変更して豊かなアート体験はそのままにお届けするべく、今秋の作品公開、そして段階的かつ継続的な展開について検討を始めています。今のこの時代において「喜び」を失わずに生きぬいていくために、最善の方法を模索しながら実施に向けて進んでいきたいと考えています。

さいたま国際芸術祭2020は「花」というテーマを設定しています。花をモチーフとして捉えるだけではなく、テーマとして考えてきました。そして、現在のコロナ禍において「花」というテーマが、私たちのこれからの生活に新しい命を吹き込んでくれると信じています。

さいたま国際芸術祭2020ディレクター 遠山昇司


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