国際芸術祭のレガシー(前編) - 【ぼらたま】新着情報 | さいたま国際芸術祭2020

国際芸術祭のレガシー(前編)

更新日: 2017年12月07日

前編・後編の2回の記事で、さいたま市内に現在も展示されている国際芸術祭「さいたまトリエンナーレ2016」のレガシー作品について御紹介していきます。

レガシー作品の展示は、「生き生きと心豊かに暮らせる文化芸術都市の創造」に向けて、身近な場所で気軽に芸術作品を鑑賞する機会の創出を目的に行われています。さいたま市で初めて開催された国際芸術祭「さいたまトリエンナーレ2016」の記憶を引き継いだ作品を是非御覧ください。

今回は、親しみやすいモチーフの中に、もしかしたら現実の世界と並行して存在するかもしれないもう一つの世界とのつながりを散りばめた川埜龍三さんの歴史改変SF美術作品《さいたまB》を御紹介いたします。

さいたま市桜区の公共施設プラザウエストの入り口の自動ドアをくぐると不思議な光景が目に飛び込んできます。

大きな土台のうえに何やら大きな犀(サイ)の埴輪と、それを先導するかのように2体の小さな埴輪が乗っています。「一体これは何だろう!」と思って近づくと、大きな格子模様が施された土台には、ところどころビビッドなカラーのプレートが貼られています。なるほど、この石碑のような土台のプレートには作品の由来と、それぞれの埴輪作品の紹介が書かれていました。

間近に作品を眺めてから、次はプラザウエストの2階に上って、見下ろすように作品を眺めてみます。ロビーをぐるりと一周する独特の照明と相まって、1階で見た雰囲気とはまた違って見えてきます。「あ!犀の頭には綺麗な玉が乗っている!」

さらに、3階まで上がり、見てみると、ロビーを行き交う人と作品との距離感や関係性が見えたりもします。立ち止まって眺める人。インスタ映え!?の写真を撮る人。犀を見て楽しそうにする子どもたち。「この作品は大きいな!」と改めて気づけるのも実は3階からの眺めかもしれません。

まだ御覧になられていない方は是非、プラザウエスト(さいたま市桜区)へお越しください。
見慣れた日常の生活の中に作品が展示され、日常の風景や自分の生活の動線がいつもと違うように見える不思議なアート体験が待っています。

作 品 名 《さいたまB》
作 家 名 川埜 龍三(かわの りゅうぞう)
展示場所 プラザウエスト 1階ロビー(さいたま市桜区道場4-3-1)
観 覧 料  無料

撮影:Photo by 田中くん